第七話 どこから来た?

ユリ・ゲラーという人がいる。スプーン曲げや、止まってしまった時計を動かして、一躍「超能力者」として一世を風靡した人である。彼が日本で人気絶頂だったころの話。 私の友人Aの話である。彼女は当時、短大に入り、ひとり暮らしを始めたばかりだった。ユ…

第六話 階段の足音

私の実家は、パッチワークみたいな家だった。それは父の努力の成果である。増築を繰り返し、父が、だんだんと大きくした家だ。 あれは高校1年生のときだったか。3階を増築することになり、そこにはふた部屋ーー私と弟の部屋ができた。 ある日のこと、階段…

第五話 入ってきた気配

私は怖い霊体験をほとんどしたことがないが、これは一番怖かった体験である。 私が浪人生だったころの話。ちょうどバブル期で、父が経営する工場も景気が良かった。隣の家が空き家になったので、行く行くは工場を広げるつもりで、父はその家を買った。浪人生…

第四話 予知夢

亡くなった母は、たまに予知夢を見た。と言っても「本人曰く」という前置きつきである。母の話を聞くと「夢に見た通り」というわけではなく、現実に近い夢を見るようだった。 弟が腕を骨折した日の明け方、母は弟の友達が怪我をする夢を見たと。「だから、よ…

第三話 先生の感

前に話した塾の先生は、私の生涯の師匠でもある。風変わりな人だったが、ときどき妙な感を発揮することがあった。 私が中学生のときの話。塾で勉強中のことである。先生が突然「お、Tさんが来るな」と言った。 先生は近くの小学校で剣道も教えていて、他の先…

第二話 軽井沢の山荘にて その二

第一話のときにも書いたけれど、私はあまり、霊というものを怖がらない。もちろん、怖い思いをさせられたら、それなりに怯えるだろうけれど、今のところ、さほど怖い思いはしていない。 それに、私が霊体験っぽいことにあったのは中学・高校のころが主で、し…

第一話 軽井沢の山荘にて

中学、高校のころ、風変わりな塾に通っていた。そこの先生は当時、とある大学の講師も務めていた。その関係で、大学所有の軽井沢の山荘で、毎年夏に1週間の合宿をするのが恒例となっていた。 野鳥の森の中にあるこの山荘は、大学生が管理している。やや古い…